検索窓
今日:8 hit、昨日:2 hit、合計:80 hit
| CSS






私はただ、青柳冬弥にフラれたかっただけなんです。





私のモチベと妄想が続けば、そのうち小説にします。
今はただ、青柳冬弥にフラれたい。

CSS→ http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Angelight13/





「すまない、気持ちは嬉しいのだが…… 今はそういったことに現を抜かす訳にはいかないんだ。だから、俺は君の想いには応えることができない」


  ____フラれた。

 青柳くんに片思いをして約一年。ようやく決心がついて告白したのはいいものの、ものの見事にフラれてしまった。正直、あまり実感が沸かないのも事実ではある。
 滅多に笑わない青柳くんは(クラスの女子の中では)私にだけ笑顔を見せてくれたし、私のおすすめした本だって読んでくれた上に感想までくれた。彼の相棒で隣のクラスの東雲くんや昔から親交の深い天馬先輩ほどまではいかないけれど、それでも他の人に比べたらだいぶ親しい友達くらいではあったはず。……というか、ここまでくると脈アリだと勘違いしてしまってもおかしくはない話だろう。なのに、フラれた。

 それでも、最初はあまり実感がなかったものが時間が経つにつれてだんだんと頭がその意味を理解し始める。そっか。私、青柳くんにフラれちゃったんだ。青柳くんにキッパリとフラれたことを私の脳が完全に理解して、涙が込み上げてくる。あーあ、泣く予定なんてなかったんだけどな。目頭が熱くなってじわじわと視界がぼやける。
 あんなに温めていた恋が、こんなにあっけなく終わるなんて。恋をしていた頃の私には微塵も想像がつかなかった。よくある恋愛映画のようにヒーローとヒロインが結ばれてハッピーエンド、なんてそんな上手い話ないんだ。恋愛って、もっとこう、幸せでキラキラしているものだと思ってた。片思いが一番楽しいっていうのは本当だったんだね。


「おい、どうだったんだ」

 聞き慣れた声に振り向くと、バスケ部の助っ人を終えて校門から出てきた東雲くんと目が合う。東雲くんは私が青柳くんのことを好きなのにいち早く気づいた人で、それ以来ずっと彼に相談させてもらっていたのだ。だから当然、私が今日青柳くんに告白する事も知っている。

「フラれちゃったよ、東雲くん」
「……マジかよ」
「マジだよ」

 青柳くんにフラれたことを包み隠さず東雲くんに言うと、彼は少し気まずそうに目線を地面へ向ける。マジかよあいつ、なんて独り言を溢している東雲くんを横目で見ながら、私はなんでフラれたんだろうと考えていた。まあそんなのさっきの青柳くんの言葉を思い返せば正解なんて出ているだろう。音楽に力を入れたいから、だ。私がいれば他の人達の邪魔になってしまう、真面目な青柳くんのことだからそう考えたんだろう。わかってる、だけどそれでもやっぱり苦しい。

「ねえ東雲くん、今からラーメン食べに行かない?」
「そういや駅前に新しくラーメン屋できたんだっけか。いいぜ、今日くらいは奢ってやるよ」
「ほんと!? いやーやっぱ持つべきは東雲くんだね」
「なんだそれ」

 私のことをフった青柳くんのことを思いながら食べたラーメンは、いつもより味が薄く感じたような気がした。





ホムペを作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3 票)

このホムペをお気に入り追加 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:青柳冬弥 , プロセカ , プロジェクトセカイ , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような占いを簡単に作れます → 作成

作者名:土下座 | 作成日時:2024年4月29日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。