ぼくとかわいい君と【短編集】second (ページ13)

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ラジオの収録を終え、ルンルン気分で翔太の家に向かう。夜ご飯は翔太が適当に用意してくれるらしい。翔太は料理出来ないからデリバリーとかだろうけど。なんにせよ早くご飯食べて風呂に入って、翔太を抱きたい。めいっぱい甘やかして、ドロドロに蕩けさせてしまいたい。

半同棲状態の俺たちはお互いの家の鍵を持っている。
合鍵っていいよね。なんか恋人同士っぽくて。

「翔太ー！ただいまー！」

夜だということを全く気にしないで元気良く声をかけた。いつもだったらすぐさま翔太から「うるさい。近所迷惑だろ」なんて文句を言われるのに、今日はなんも声が聞こえてこない。代わりに、玄関の近くに位置する風呂場の方からガタガタって音がした。

翔太、風呂場にいんの？早くない？もしかしてもう準備しちゃってんの？

そんな翔太が可愛く思えてきて、自然と頬が緩み、ニヤニヤしてしまう。
靴を脱いで閉め切られた風呂場のドアをノックする。

「翔太ー入るよー」
「わっ、ばかっ、入ってくんな！」
「えーなんでだよー。佐久間さんは翔太の彼氏でしょー？」

そう言いながら翔太の言葉を無視してドアを開けた。

「…見んなばかっ」

そんな暴言と共に視界に入ってきた翔太の姿に俺の思考は一旦停止した。
ひらりと揺れるフリルがたくさんついたスカート。黒と白を基調として作られた可愛らしい服。

そう、正しくメイド服だ。

スカートの丈が短く見えてしまわないか不安らしく、手で丈を伸ばし恥じらう翔太。

は？かわいすぎかよ!?かわいいの暴力じゃんか!!

恥ずかしさから溢れる涙を浮かべて俺を睨んでくる翔太。格好も相まって全く怖くないけど。

あまりにも羞恥心が強いのか、顔を赤くしたまま何も言わない翔太に俺は言った。

「ね、かわいいメイドさん。今日は俺のお世話してくれる？」