ぼくとかわいい君と【短編集】second (ページ11)

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翔太に恋愛相談をされた。翔太曰く、俺が一番佐久間と仲がいいらしい。まぁ佐久間はメンバーの誰とでも同じくらい仲がいいんだけど。
佐久間が自分よりアニメやマンガの女の子の方が好きなんじゃないかって不安なんだと。
まぁ確かに佐久間の二次元への愛はめちゃくちゃ強い。フィギアとかTシャツとか持ってるし、オタクなのはすぐにわかる。でも、その愛と翔太に向ける愛って絶対別物じゃん。佐久間が翔太をどれだけ大切にしてるかなんて周りからは一目瞭然。めっちゃ翔太のこと好きだからね。まぁ素直じゃない翔太には教えてあげないけど。

ていうか俺、数日前に佐久間にも似たような相談されたからね。

「翔太って俺のこと好きじゃないのかな〜…。どう思う？阿部ちゃん」

なんて項垂れながら佐久間は言っていた。お互いめちゃくちゃ好き合ってるのになんでこんなにすれ違っちゃうのかな。不思議だね。

翔太は恥ずかしがり屋だから普段から好きを伝えたりしないんだろう。それが佐久間を不安にさせてるみたいだ。
ちゃんとそういうのは伝えないとね。

というわけで今回俺は佐久間の味方だから。佐久間が喜ぶようなこと翔太にしてもらおう。

「大丈夫だよ。俺にいい考えあるから」

力なく顔を下げていた翔太が俺を見る。なんだかその瞳が迷子の子どもみたいに寂しげで、どうにかしてやりたいって気持ちでいっぱいになる。
俺が悪知恵を翔太に教え込んだとか言われたくないから、翔太を手招きして顔を近づけさせる。そしてこっそり耳打ちした。
俺の提案を聞いた翔太は驚いたように、恥ずかしそうに顔を赤くして「はあ!?」と俺を凝視してくる。

「無理！やだ！」
「えー、でも佐久間絶対喜ぶと思うけどな」
「っ、でも…！」

いや、本当に佐久間好きだと思うけど。翔太がしてくれたら鼻血出して倒れちゃうんじゃないの？って思うくらい。

「迷ってる暇ないでしょ。佐久間に飽きられたくないんだよね？だったらしなきゃ」
「……俺、絶対似合わないし…」
「そこは大丈夫だって。翔太、腕とか脚とか綺麗だし、似合うと思うよ」

これは本心だ。なんなら俺もどのくらい似合ってるか見てみたいし。

そんな風に勧め続けると、最終的に翔太は微かに頷いた。

きっといいことあるよ。俺が約束してあげる。