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21*繋いだ手 ページ21






「(あー……ホソクさんに八つ当たりした。最悪だ)」




次に会ったら態度については謝ろう。


前髪を雑に掻き上げながらネオンの光が眩しい街中を荒々しく歩く。……週末が遠い。


かと言って平日にまで店に、彼に会いに行くのはどうなんだろう




駄目だ、疲れと苛立ちで思考が可笑しい。


早く帰ってドラマ観て休もう





「ていうか……、」





テヒョンの事はもう区切りがついた。


手に入らないものに縋り続けるほど愚かじゃないし、強くもない


でも、ユンギさんはどうなんだろう


友達ですら無い彼との関係は何なんだろうか




いつか唐突に終わるのかな


そこまで考えて、ピタッと足が止まる






YG「…うおっ、お前何してんの?」

「……ユンギさんこそ」

YG「会社帰りだっての。見ればわかるだろ」

「本当だ。ユンギさんがスーツだ…」

YG「何が可笑しいんだよ」

「いつもラフな格好だから、なんか面白い」







真正面から歩いてきたスーツ姿のユンギさんは相変わらず肌が白くて、ある意味黒いスーツが映える。



笑いを噛み殺してるとユンギさんが突然私の腕を引いてタクシーに乗り込んだ。抵抗する隙も無いほど素早く。



……え?待って、私どこに連れて行かれるの。





「ユンギさん……どこに、」

YG「マンション。」

「私の意見は聞かないんですね」

YG「降りたいなら降りろ」

「……勝手に乗せたくせに」





それでも私が逃げる気が無いのをきっと彼も見抜いてる。


運転手に行き先を伝えるユンギさんが、するり、と私の手に自分の手を絡めてきた。…いつも、こんな事しないのに。


ふと視線だけ彼に向ければ、彼もまた私を見ていた





______…あぁ、その冷めてるようで熱い瞳が好き。




その仕草も言葉も表情も、どこまでが本当なの?

22*行き着く先は→←20*要らない



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作者名:ただのルート | 作成日時:2024年2月28日 23時

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