02* ''嘘つき女'' ページ2
、
夜は意外と長い。
今は夜中の2時。
いつもならタクシー拾って帰るけど
何となく今日はそんな気分になれなくて
ただただ気まぐれにバーに入ってみた。
JN「なに飲みます？……あ、その席。」
「え？」
適当にカウンター席に座ると
バーテンの人がキョトンとする。
……なに？
もしかしてこの席、座ったらダメだった？
YG「…………そこ俺の席なんだけど？」
「…………は？」
YG「睨んでないで退け。」
「…………」
な、なんだこの感じの悪い男は…！
態度も口も悪くてビックリした。
「…すみません、先客が居たなんて知りませんでした」
YG「あ、そ」
「…………」
何この男。よく見たら肌、私より白いし。
お化けじゃないよね？
YG「…なに？」
「…いえ。」
YG「何もないのに人の顔ジロジロ見てたのかよ」
「どうもすみませんでした。格好良かったのでつい見惚れてしまったんです」
私が席を開けると
すぐさま、どかっと座る色白の男。
ふ、と私に向けられるその顔は
……悔しいけど地味に整ってる。
テヒョンみたいな
遠目でも分かるような綺麗さではないけど、
でも何となく、惹かれてしまう。
YG「嘘つき女。」
バカにしたような
私の心を見透かしたような
そんな表情で、彼がシニカルに笑った。
その表情と言葉があまりにも
彼に似合いすぎてて
息も忘れて一瞬、本当に見惚れてしまった。
……けど。
「初対面で失礼すぎませんか？」
YG「初対面で人の顔凝視する奴に言われたくない」
「大体、嘘だって思った理由は？」
YG「胡散臭いから。」
随分とバッサリ言ってくれた。
バーテンの人に「この人と同じものを。」と
伝えてから私も彼の隣にどかっと座る
その気怠げな瞳が
何かを考えるように細まった。
値踏みするような、そんな目。
でも別に気にしない
「……私、貴方みたいな人と恋がしたい」
YG「へぇ」
「この言葉も嘘だと思いますか？」
私は嘘が上手い方だけど
何となく彼には通じない気がした。
だからすぐに「嘘だろ」って
一蹴されると、……思っていたのに。
YG「…いいんじゃねぇの？俺もお前みたいな女、嫌いじゃない」
「…え？」
そのほんのり赤い唇が紡ぐ言葉は
ーーーー…嘘か真か、どっち？
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作者名：ただのルート
| 作成日時：2024年2月28日 23時
